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内容紹介
適菜収「B層の研究」シリーズが最新刊の本書でついに15万部突破!
近代大衆社会の末路を「B層」というキーワードで鮮やかに批評した適菜収氏の書が話題となっておよそ10年。現代日本はどれだけモラル無き凄まじい社会状況に成り果てたか? 国家の没落は残酷なまで加速度を増している。支配されていることに気づかない人々、いわゆる「B層」の最新の生態を鋭くえぐりだした衝撃の書。
「なぜあの人は何度もダマされるのか?」
「まさかあなたもB層に堕ちてはいないか?」
◉支配される人の思考回路と精神構造がよく分かる!
二〇〇五年九月の郵政選挙の際、自民党内閣府が広告会社に作成させた企画書による概念がこの「B層」の発端。国民をA層、B層、C層、D層に分類し、「構造改革に肯定的でかつIQが低い層」「具体的なことはよくわからないが小泉純一郎のキャラクターを支持する層」をB層と規定していた。単なるバカではなく、構造改革に疑問を持たずに流されていくような人たちのこと。
A層「構造改革に肯定的でかつIQが高い層」
B層「構造改革に肯定的でかつIQが低い層」
C層「構造改革抵抗守旧派」
D層「既に(失業等の痛みにより)構造改革に恐怖を覚えている層」
このA層(財界勝ち組企業、大学教授、マスメディア)がB層を動かすことで、構造改革を進めていくというのが企画書の趣旨だった。計画は実行に移され、B層を動かした。プロパガンダとマーケティングにより、政治が動き、日本は三流国家に転落した。人間の心の闇、脆弱な部分を狙い撃ちにしたテクノロジーが発達すれば、ニヒリストは算盤をはじきながらそれを利用する。議会主義は破壊された。自民党内にいたごく少数の保守派は追放され、新自由主義者と政商、カルトの複合体となった。支持層も変質した。都市部のふわっとした民意が集票のターゲットになった結果だ。われわれはすでに七年八カ月に及ぶ安倍政権という災禍を経験。人心は荒廃し、社会は暗くなった。この問題を大きな視点で見れば、テクノロジーの人間に対する勝利とも言えるし、近代大衆社会の末路とも言える。本書は、日本社会のB層化がすでに取り返しのつかないところまで来ているという事実を明らかにすること。そのためには個別の人間、個別の事象をつぶさに観察・分析した。B層が関心を抱く様々なテーマを扱うことにより、日本の病巣を炙り出す。現実を直視せよ!
はじめに--「B層」とは何か?
第一章 内田樹と『日本辺境論』
第二章 自立を拒絶する人たち
第三章 「正義」を笠に着る人たち
第四章 陰謀論に走る人たち
第五章 無責任な人たち
第六章 恥知らずな人たち
おわりに--人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される
著者プロフィール
適菜 収
1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『