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内容紹介
「人類不要の時代をどう生き延びるか?」
文豪・島田雅彦が炎上を恐れず語る
人生の嗜み方
人間だけが持っていると思われていた創造性も、
人工知能によって代行される時代が巡って来た。
人間界ではわりとヘタレや敗者も生き延びてこられたのだが、
人工知能が進化論の原則をよりシビアに踏襲するとしたら、
それこそ血も涙もない淘汰を行うだろう。
長い年月をかけて、思想や哲学を通じて考察されて来た
人間の条件がこの先、大きく変わる。人間はこのまま奴隷か、
動物園の動物のようになってゆくと思われるが、
その前に人間を人間たらしめている理性と狂気について、
今一度考えてみるのも一興かと思い、本書を出すことにした。
愚行、虚栄心、性欲、破壊衝動、嫉妬……ビジネス書では
ほとんど扱われないテーマばかりを選び、
酒場で放談する形式を取った。
民主主義崩壊前夜にあっては、酒場の放談こそが、検閲もなく、
最も言論の自由を行使でき、ヘタレが一番輝く場だからである。
炎上は避けられないだろうが、死なない程度に地雷を踏むのは
武勇伝ネタを積み上げたいヘタレのプライドの現れなので、
どうか温かく見守ってやってください。
著者プロフィール
島田 雅彦
1961年東京都生まれ、川崎育ち。東京外国語大学ロシア語学科在学中の83年『優しいサヨクのための嬉遊曲』が芥川賞候補となり、作家デビュー。84年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞。92年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞。2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞、08年『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。10年下半期より芥川賞選考委員を務める。現在、法政大学国際文化学部教授。
最新刊エッセー『筋金入りのヘタレになれ』(ベスト新書)が好評。