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内容紹介
今の陛下は、天皇を国家・国民統合の象徴と定める日本国憲法により即位され、積極的に象徴の役割を果たしてこられた、それが高齢化により困難となる手前で、自ら譲位を決断された。その叡慮を尊重するのは、日本国民の良識であ理、政府・国会の責務であろう。本書は平成28年8月8日の「お言葉」の真意を読み解き、その背景にある原稿憲法と皇室典範の全容を解説した上で、法整備の具体的な解決策と今後の課題を示す。
● 有識者会議のメンバーであり、皇室制度及び典範の研究の第一人者である著者が「生前退位」問題と解決法、今後の展開を詳細に解明!
●歴代天皇の皇位継承がわかる系図や、今上天皇の略年表など、図版や資料を豊富に掲載。歴代天皇から現代の皇室まで理解できる1冊!
【目次】
第一章「生前退位」のご意向を読み解く
NHKの第一報に対する反響
「譲位」を決意された時期と理由
「象徴の務め」とその在り方
摂政・臨時代行でなく譲位こそ
海外王室で近年行われた譲位の実例
第二章「天皇陛下のお言葉」を読み解く
ビデオメッセージに対する反響
自ら形作られた象徴天皇の在り方
臨終崩御に伴う皇室と社会の状況
皇室が「国民と共に未来を築く」
第三章 憲法の規定する象徴世襲天皇
古代の「律令」と近代的な「典憲」
被占領下で制定された象徴天皇
象徴天皇は「世襲」による「君主」
憲法の定める象徴天皇の国事行為
象徴天皇にふさわしい公的行為
世襲の天皇の奉仕される祭祀行為
第四章 皇室典範を規定する皇室制度
明治典範を引き継いだ戦後の新典範
皇位継承者は皇統の男系男子のみ
皇嗣の範囲、天皇の在位期間
皇族は養子も女子宮家も不可
「大喪の礼」と「即位の礼
」「皇室会議」の構成員と役割
第五章 高齢譲位の実現方法と残る課題
新典範案を審議中の「退位」論議
有識者会議で検討中の対処方法
当面の特措法から典範改正まで
譲位の実現に向けての検討事項
次の皇嗣と皇族女子の在り方
著者プロフィール
所 功
名古屋大学史学科・同大学院修士課程卒業。法学博士(慶大)。文部省教科書調査官を経て、京都産業大学名誉教授、モラロジー研究所研究主幹。著者に『皇位継承のあり方』(PHP新書)など、共著に『元号』『皇位継承』(ともに文春新書)など、編著に『日本年号史大辞典』(雄山閣)など。